サイバインコ
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サイバインコとは
サイバインコ（JAK阻害薬）は、中等度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に用いられる飲み薬です。主成分はアブロシチニブで、ヤヌスキナーゼ（JAK）酵素の働きを抑制することで炎症反応を抑えます。医師の指示に従って服用する必要があります。
期待できる効果
免疫をつかさどる細胞の中にある「JAK」の中でも「JAK1」に強く作用することで、かゆみの抑制に対して効果が期待できます。また、効果や副作用に応じて服用量を増減し調整できることも特徴のひとつです。
- 炎症の抑制：皮膚の炎症を引き起こすサイトカイン（IL-4、IL-13）の生成を減らし、炎症を和らげます。
- かゆみの軽減：かゆみを誘発するサイトカイン（IL-31）の生成を抑え、かゆみを緩和します。
- 低下した皮膚のバリア機能の改善：アトピー性皮膚炎では皮膚バリアが低下していますが、バリア破壊に関わるサイトカイン（IL-22）の生成を抑え、皮膚の保護機能を改善
投与できる方・できない方・注意点
投与できる方
- 中等度から重度のアトピー性皮膚炎で、医師により治療が必要と判断された方
- ステロイド外用薬やデュピクセントなどの既存治療で効果が不十分な方
できない方・注意点
- 本剤またはその成分に対して重いアレルギー反応（アナフィラキシーなど）を起こしたことがある方
- 過去に重篤な過敏症の既往がある方
- 12歳未満の小児
- 妊娠中・授乳中の方
- その他、医師が慎重投与を必要と判断する持病をお持ちの方（例：重度の心疾患など）
使用中は医師の定期診察を受け、症状や副作用に注意が必要です。
投与の方法
100㎎を1日1回内服しますが、患者様の状態に応じて、200㎎を1日1回投与することができます。（50㎎・100mg・200mgの3剤形あります。）
服用量を増減して調整できることが特徴的ですが、医師の指示に従い、決められた量の錠剤を服用してください。
治療を始めてから12週間経っても効果が認められない場合は、副作用のリスクが高くなる可能性があるため、服用を中止します。
副作用
主な副作用には、頭痛、倦怠感、上気道感染症（風邪症状）、鼻咽頭炎、肝機能異常、脂質異常症、吐き気、腹痛、下痢などの消化器症状が報告されています。まれに重篤な感染症や血栓症などが発生することもあります。異常を感じた場合は速やかに医師に相談し、定期的な検査を受けてください。
治療の継続と中止について
サイバインコによる治療は、症状の改善が見られるまで継続することが重要です。効果を感じた場合でも、治療を急に中止すると症状が再発する可能性があります。治療の中止を検討する際は、必ず医師と相談の上、適切な方法で行ってください。
サイバインコについて詳しくはこちら
高額療養費制度
サイバインコは保険適用となっていますが、治療費が高額になる場合があります。
治療費による経済的な負担を軽減するため、「高額療養費制度」という医療費助成制度があります。
1カ月（その月の1日～末日）に医療機関で支払う自己負担額が一定額を超えた場合、その自己負担額を一定の上限まで抑えられる制度です。
厚生労働省：高額療養費制度について
